Apple製品、とくにiPadやiPhoneは毎年秋に新モデルが発表されるのが通例です。
しかし、すべてのラインナップが毎年更新されるわけではありません。ときには「その年に新モデルが登場しなかった」というケースもあります。
たとえばiPadシリーズでは、Airやminiなどの一部モデルが据え置きになる年もあり、その翌年に大きなアップデートが行われることがあります。
では、「新モデルが登場しなかった翌年」や「型落ちモデル(1世代前)」を買うのは本当にお得なのでしょうか?
実は、型落ちモデルは価格と性能のバランスが良く、“狙い目”になるタイミングが存在します。ただし、一方で購入後のサポート期間や将来的な使い勝手に注意しないと、損をしてしまうこともあります。
本記事では、Apple製品を賢く購入したい方のために、以下の内容を網羅的に解説します👇
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型落ちモデルが狙い目になるタイミング
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新品ラインナップがなかった翌年の購入戦略
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型落ち購入のメリット・デメリット
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おすすめの購入時期・タイミング
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整備済み品や中古市場の活用法
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販売終了モデル購入時の注意点とリスク
1. 型落ちモデルとは?──定義と一般的な値下がり傾向
まず、「型落ちモデル」という言葉を整理しておきましょう。
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型落ちモデル:最新モデルが登場したことで、旧モデルとなった前世代の製品
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販売終了モデル:新モデルの登場に伴い、Apple公式サイトや家電量販店での新品販売が終了したモデル
Apple製品は基本的に毎年1回(秋)に新モデルが登場します。そのため、新モデルの発表・発売直後には前世代モデルが一気に「型落ち」になるのが通例です。
このとき、価格が一気に下がるケースが多く、Apple公式整備済み製品や量販店の在庫処分などが重なることで、実質的な値引きのチャンスが年に一度訪れます。
型落ちモデルの値下がり例(iPadの場合)
モデル |
発売年 |
発表翌年の価格変動例 |
iPad Air(第4世代) |
2020年 |
第5世代登場時に約15,000〜20,000円の値下げ |
iPad(第9世代) |
2021年 |
第10世代登場時に約10,000円の値下げ+整備済み販売開始 |
iPad mini(第5世代) |
2019年 |
mini 6登場時に整備済みで最大15%オフ販売 |
このように、型落ちモデルは「最新ではない」ものの、性能的には十分実用に耐える場合が多く、価格と性能のバランスが非常に良いことが特徴です。
2. 新品ラインナップがなかった翌年は「型落ちモデル購入の好機」
Appleがその年に新モデルを出さなかった場合、翌年は型落ちモデルが特に狙い目になります。なぜなら、新モデル登場と同時に旧モデルの値下げや在庫放出が始まり、さらに整備済み品や中古市場にも豊富な在庫が流通しやすくなるためです。
価格が下がる
新モデル登場時には、旧モデルの新品価格が下がる、または整備済み製品として公式ストアで割安販売されるケースが多くあります。特にiPadシリーズはストレージ容量違いやWi-Fi/セルラーモデルの組み合わせが豊富なため、希望条件に合ったモデルを安く入手できるチャンスが広がるのです。
選択肢が増える
新モデルと旧モデルが併売される期間は、ラインナップが最も充実するタイミングです。予算や用途に応じて「最新」か「1世代前」かを比較検討できるのはこの時期だけ。とくにAir・mini系では1世代前でも十分な性能があることが多いため、コスパ重視派には理想的な選択肢になります。
3. 型落ちモデル購入のメリット
① 価格の大幅な値引き
型落ちモデルは新モデル登場と同時に値下げされる傾向があります。さらに、量販店ではポイント還元や在庫処分セールが行われることも多く、公式価格よりもさらに安く買える場合があります。
② 性能はまだまだ現役レベル
Apple製品は設計寿命が長く、1世代前のモデルでも数年間は快適に使用できます。たとえば、M1チップ搭載のiPad Air(第5世代)は2025年現在でも十分な処理能力を持ち、ブラウジング・動画編集・学習用途など幅広く活躍します。
③ 整備済み製品が狙いやすい
Apple公式の整備済み製品(Certified Refurbished)は、新品同様の1年保証付きで、価格は最大15%オフ。型落ちモデルの登場時期と重なることで、整備済み品の在庫が充実し、購入チャンスが増えます。
4. 型落ちモデル購入のデメリット・注意点
一方で、型落ちモデルにはデメリットもあります。特に以下の点は購入前にしっかり確認しておく必要があります。
① 最新技術・機能が使えない
最新モデルではチップ性能・カメラ機能・アクセサリ対応などが進化している場合があります。
たとえば、iPad Proは世代ごとにM1 → M2 → M4と性能が大きく進化しており、用途によっては1世代違うだけで大きな差になることもあります。
「長く使いたい」「動画編集など負荷の高い作業をしたい」という方は、性能差を冷静に見極める必要があります。
② OSアップデート・サポート期間が短い
Appleは製品発売から5〜6年を目安にiOS/iPadOSのサポートを終了します。
型落ちモデルを購入するということは、すでにサポート期間の一部を消費しているということです。たとえば、発売から2年経過したモデルを購入すれば、サポート残りはあと3〜4年ということになります。長期利用を考える場合は、残りサポート期間も必ず確認しましょう。
③ 販売終了モデルは保証・修理対応が限定される
Appleが公式販売を終了したモデルは、部品供給や修理対応が段階的に縮小されていきます。Appleでは「ビンテージ製品」「オブソリート製品」という区分を設けており、発売から5〜7年経過すると修理受付自体が終了することもあります。
5. 型落ちモデルの「おすすめ購入時期」
① 新モデル発表直後(9〜10月)
毎年9月前後に新モデルが発表されるため、その直後は旧モデルが値下がりしやすく、量販店やキャリアショップでもセールが活発になる時期です。新品・未使用品を狙うならこのタイミングがベストです。
② 整備済み品が出回る時期(発表から数週間〜数か月後)
Apple公式の整備済みストアでは、新モデル登場から数週間〜数か月後に旧モデルの整備済み品が大量投入される傾向があります。保証付きで安心して購入できるため、「新品同等+割安」で購入したい人に最適です。
③ 中古市場が潤う時期(年末〜年度末)
多くのユーザーが新モデルに買い替えるため、年末商戦〜年度末にかけて中古市場に旧モデルが大量流通します。中古ショップやフリマアプリでは相場が一時的に下がる傾向もあり、状態の良い中古を探すならこの時期が狙い目です。
6. 販売終了モデル購入のデメリットとリスク
① 保証・サポート期間の短さ
販売終了モデルは購入時点で新品保証期間はありますが、AppleCare+への加入期限が迫っている場合も多く、サポート期間が最新モデルより短くなることがあります。
② 部品供給終了による修理不可リスク
発売から5〜7年経過すると、Appleがそのモデルの修理部品の提供を停止することがあります。いわゆる「オブソリート製品」になると、公式・非公式問わず修理対応が難しくなる可能性があります。
③ 下取り価格の下落が早い
販売終了モデルは中古市場での人気が一気に落ちることもあります。特にOSサポート終了が近いモデルは下取り価格が急落するため、「数年後に売って買い替える」戦略を取りたい人には不向きです。
7. 型落ちモデルを賢く買うためのチェックリスト
購入前には、以下のチェックポイントを確認しておくと安心です👇
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□ 使用目的を明確にする(動画編集/勉強用/ネット閲覧など)
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□ 残りのOSサポート年数を調べる
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□ 最新モデルとの差額と性能差を比較する
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□ Apple整備済み製品や公式セールをチェックする
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□ 保証・AppleCare+の加入可否を確認する
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□ 中古の場合はバッテリー状態や外装状態もチェックする
8. まとめ──目的を明確にすれば「型落ち購入」は非常に賢い選択
型落ちモデルは、「安いから買う」ではなく、「自分の用途に合った性能を、最もお得なタイミングで買う」ための選択肢です。
最新モデルの方が当然性能は高いですが、すべての人が最新機能を必要とするわけではありません。軽い作業や学習・仕事用であれば、1〜2世代前のモデルでも十分に活躍できます。
特に以下のような方には、型落ちモデルの購入がおすすめです👇
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✅ 新品にこだわりたいが、予算を抑えたい
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✅ 高負荷な作業は想定していない
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✅ 整備済み品やセールを上手に活用したい
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✅ OSサポート期間を把握した上で短期間〜中期間使いたい
逆に、長期的な使用やハイパフォーマンスを求める場合は、最新モデルを選んだ方が結果的に満足度が高くなるケースも多いです。
参考リンク(公式)
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Apple公式:ビンテージ製品とオブソリート製品
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総務省統計:情報通信機器の平均使用年数