2010年に初代iPadが登場してから、Appleのタブレットは大きな進化を遂げてきました。現在では、iPadはただの「大きなiPhone」ではなく、仕事、勉強、クリエイティブ制作まで幅広く活用される万能デバイスとなっています。
しかし、その種類やモデル数が年々増えており、「どのiPadを選べばいいのか分からない」と迷う人も多いはず。本記事では、歴代iPadの進化を振り返りつつ、性能や特徴をわかりやすく比較し、用途別の選び方も丁寧に解説します。
すでに用途が決まっている方は下記の中から目的に合ったものをお読みください。
【ざっとおさらい】iPadシリーズの種類と特徴
現在販売されているiPadは、大きく分けて以下の4シリーズがあります。それぞれにターゲットや特徴があり、選ぶべきモデルも異なります。
■ 無印iPad(エントリーモデル)
一番スタンダードで価格も抑えめ。学生やライトユーザーに人気。
■ iPad mini(小型モデル)
手軽に持ち運べるコンパクトなモデル。読書やメモ用途に最適。
■ iPad Air(中間スペック)
Pro並のパワーを持ちつつ、価格を抑えたバランスモデル。M1チップ搭載で注目。
■ iPad Pro(最上位モデル)
高性能チップ(M2など)や120Hzディスプレイなど、プロユースに対応したハイエンドモデル。
歴代iPadモデル一覧表
まずは、歴代の主要なiPadモデルを一覧で振り返ってみましょう。発売年、画面サイズ、搭載チップ、主な特徴をまとめました。
ProやAirなどの派生モデルを含め、代表的なモデルを抜粋しています
発売年 | モデル名 | 画面サイズ | 搭載チップ | 主な特徴 |
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2010年 | iPad(初代) | 9.7インチ | A4 | タブレット時代の幕開け |
2012年 | iPad(第3世代) | 9.7インチ | A5X | Retinaディスプレイ初搭載 |
2012年 | iPad mini(第1世代) | 7.9インチ | A5 | 初の小型iPad |
2013年 | iPad Air(初代) | 9.7インチ | A7 | 軽量&薄型デザインに刷新 |
2015年 | iPad Pro(12.9インチ) | 12.9インチ | A9X | 大画面+Apple Pencil初対応 |
2019年 | iPad Air(第3世代) | 10.5インチ | A12 | Apple Pencil 第1世代対応 |
2020年 | iPad Pro(第4世代) | 11/12.9インチ | A12Z | トラックパッド対応 |
2021年 | iPad Pro(第5世代) | 11/12.9インチ | M1 | 初のMシリーズチップ搭載 |
2022年 | iPad(第10世代) | 10.9インチ | A14 | USB-C搭載、デザイン刷新 |
2024年 | iPad Pro(第6世代) | 11/13インチ | M4 | OLEDディスプレイ採用 |
世代別:各モデルの詳細と進化のポイント
無印iPad(2010年〜現在)
無印iPadは、最もスタンダードなモデルで、年々スペックアップを続けながらも価格は比較的手頃。教育現場や家庭用に根強い人気があります。
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初代(2010):当時としては画期的なタブレット体験を提供。
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第3世代(2012):初のRetinaディスプレイ搭載。
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第7世代(2019):10.2インチに大型化し、Smart Keyboardに対応。
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第10世代(2022):デザイン刷新、USB-C採用、ホームボタン廃止。
▶︎ ポイント:現在は第10世代が現行。第9世代との価格差があるため、中古市場でも注目されている。
iPad mini(2012年〜)
iPad miniは、片手で持てるコンパクトさが最大の魅力。電子書籍やメモ用として根強い支持を持ちます。
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初代〜第5世代:基本デザインはほぼ変わらず。
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第6世代(2021):デザイン大幅刷新、USB-C、A15搭載で一気に近代化。
▶︎ ポイント:第6世代は、Pro級の処理性能と携帯性を兼ね備えた「名機」とも評される。
iPad Air(2013年〜)
Airは無印よりも軽量で高性能な中間モデル。Proに近い性能を持ちながらも価格が抑えられている点が魅力。
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初代(2013):従来のiPadから大幅な軽量化。
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第4世代(2020):ホームボタン廃止、USB-C、A14チップ搭載。
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第5世代(2022):M1チップ搭載で、Proに迫る性能に。
▶︎ ポイント:価格・性能・デザインのバランスが良く、万人におすすめしやすいモデル。
iPad Pro(2015年〜)
iPad Proは、性能・機能ともに最上位のプレミアムモデル。Apple Pencil(第2世代)やMagic Keyboardなど、クリエイティブ・ビジネス用途に最適化されています。
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初代(2015):12.9インチの大画面とApple Pencil対応が話題に。
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第3世代(2018):ベゼルレスデザイン、USB-C、Face ID採用。
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第5世代(2021):M1チップ搭載で飛躍的に性能向上。
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第6世代(2024):M4チップ+OLEDディスプレイで過去最高のディスプレイ品質。
▶︎ ポイント:価格は高めだが、Macに匹敵する処理能力。動画編集・デザインなどに最適。
パフォーマンス比較(チップ性能・ベンチマーク・OS対応)
iPadは発売時期によって搭載されているチップが異なり、性能にも大きな差があります。以下では主に「チップ性能」「OS対応状況」「実際のパフォーマンス」から比較していきます。
● チップ性能の進化(代表モデル抜粋)
モデル名 | 搭載チップ | ベンチマーク目安* | 特徴 |
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iPad(第6世代) | A10 Fusion | 約180,000 | 基本的なアプリ操作は快適 |
iPad Air(第4世代) | A14 Bionic | 約560,000 | 軽作業に最適、iOS長期サポート対象 |
iPad Pro(第5世代) | M1 | 約1,400,000 | Macに匹敵する処理能力 |
iPad Pro(第6世代) | M4 | 約2,000,000超 | 映像・AI処理まで余裕で対応 |
*ベンチマークはGeekbench等の総合スコアの参考値(マルチコア)
● OSサポートの違い
Appleは古いモデルにも比較的長くiPadOSのアップデートを提供しますが、以下の点に注意しましょう。
*A9以下のチップ(例:iPad mini 4など)は、最新のiPadOSに非対応
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A10〜A12も、サポート終了が近いと予想される
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A14以降(およびMシリーズ)は、今後3〜5年のサポートが期待できる
▶︎ ポイント:長く使いたいなら、最低でもA14以降 or Mシリーズ搭載モデルがおすすめです。
用途別おすすめモデル(選び方ガイド)
用途やユーザータイプごとにおすすめポイントをピックアップし、適したiPadモデルを紹介します。
● ライトユーザー(動画視聴・ネット・SNS)
おすすめ:iPad(第9世代 or 第10世代)
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必要最低限の機能を満たし、価格も手頃
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第10世代はUSB-C対応で拡張性も◎
● 学生・ビジネス用途(ノート・書類・リサーチ)
おすすめ:iPad Air(第4・第5世代)
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Apple PencilやMagic Keyboard対応
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M1搭載の第5世代なら将来性も高い
関連記事:【学生必見!】iPadどこで買う?安く買う方法を紹介
● クリエイター(イラスト・動画編集・音楽制作)
おすすめ:iPad Pro(M1以上)
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高性能チップ+高リフレッシュレート画面
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11インチは携帯性、12.9インチは作業性重視
● 携帯性重視(読書・メモ・外出用)
おすすめ:iPad mini(第6世代)
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A15搭載で処理性能も十分
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小型・軽量でバッグにもスッと入る
中古市場での狙い目のiPadのモデル
中古で購入を検討する際には、価格と性能のバランスが重要です。以下のモデルが「コスパ良し・まだ使える」ラインとされています。
モデル名 | 中古相場(目安)* | メリット | 注意点・リスク |
---|---|---|---|
iPad(第7世代) | 約2〜3万円前後(状態・容量による) | 10.2インチ・Retina/Smart Keyboard対応 | A10 Fusion 3GB RAM で性能は控えめ。最新版OSで動作が重くなる可能性あり |
iPad(第8世代) | 約3〜4万円前後 | A12 Bionic 搭載、Neural Engine対応。第7世代より性能アップ | Lightning端子のまま。最新機能や拡張性には限界あり |
iPad(第9世代) | 約3〜4万円 | A13搭載で性能と価格のバランスが良好 | USB-Cではない点、将来のOSサポート切れに注意 |
iPad Air(第4世代) | 約5〜6万円 | USB-C、A14搭載、拡張性も高め | 第5世代やM1機種と比べると性能差あり |
iPad Pro(第3〜4世代) | 約6〜8万円 | 大画面、拡張・アクセサリ対応力高 | バッテリー劣化・画面交換コストに注意 |
* 中古相場は状態・容量・付属品(箱・充電器など)によって大きく変動します。
● iPad 第7/第8世代、それぞれの特徴と評価
iPad(第7世代)
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スペック概要
10.2インチのRetinaディスプレイ、A10 Fusion チップ、3GB RAM、32/128GB ストレージ選択可。
Smart Keyboard 対応、Apple Pencil(第1世代) 対応。 -
メリット
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価格が非常に抑えられており、エントリー用途には魅力的
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キーボードやタッチ操作などの基本機能は抑えられている
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注意点
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最新のiPadOSでは動作が重くなるというユーザー報告あり
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A10世代の性能は現在のアプリやマルチタスクにはやや厳しい
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バッテリー劣化の可能性が高く、交換コストも考慮すべき
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Apple Pencil 第2世代は使えず、拡張性に制限あり
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iPad(第8世代)
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スペック概要
10.2インチのRetinaディスプレイ、A12 Bionic チップ、Neural Engine 搭載、3GB RAM、32/128GB ストレージ選択可。
Smart Keyboard や Apple Pencil(第1世代)対応。 -
メリット
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第7世代と比べ、CPU・GPU性能が向上しており、日常用途が快適
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Neural Engine の搭載により、AI・画像処理アプリで若干のアドバンテージ
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注意点
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Lightning 接続のままで、USB‑C化されていない点
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最新機能や将来性は限定的
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中古購入の際はバッテリー状態を必ずチェック
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カメラ性能は控えめという口コミあり
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8. 今後のiPadの進化はどうなる?
AppleはiPadを単なるタブレットにとどまらせず、より多機能なプロフェッショナル向けデバイスへと進化させようとしています。
● 予測される進化ポイント
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AI対応機能の本格実装(iPadOS 18以降)
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折りたたみiPadの登場(2026年以降の噂)
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macOSとの融合(iPadをサブディスプレイ以上の存在に)
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Apple Pencil 第3世代のジェスチャー/触覚対応
まとめ:どのiPadを選ぶべき?
iPadはモデルごとに明確な役割があり、どのユーザーにも合った1台が存在します。
タイプ | 最適モデル |
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初心者・家族用 | iPad(第9〜10世代) |
学生・ノート代わり | iPad Air(第4〜5世代) |
本格的な制作作業 | iPad Pro(M1〜M4) |
外出用・軽作業 | iPad mini(第6世代) |
長く使いたいなら、「A14チップ以降」または「Mシリーズ」搭載モデルを選ぶのが基本。
目的と予算に応じて、ベストなiPadを選びましょう。
さいごに
AppleのiPadは、単なるガジェットではなく、ライフスタイルや仕事の形すら変えてしまう可能性を秘めています。今回の比較を参考に、自分にぴったりの1台を見つけてくださいね。