「外出先でパソコンやタブレットをネットに繋ぎたいのにWi-Fiがない」
「iPhoneのテザリングを試したが、接続できなかった」
iPhoneのテザリング機能を使えば、Wi-Fiがない場所でもパソコンやタブレットをインターネットに接続できます。しかし、iPhoneのテザリングの設定方法や、接続できない原因がわからず困っている人も少なくありません。
本記事では、iPhoneでテザリングする方法を初心者にもわかりやすく解説します。
【結論】
iPhoneでテザリングする方法には、Wi-Fiテザリング、Bluetoothテザリング、USBテザリングの3種類があります。iPhoneのテザリングは手順を覚えれば簡単ですが、接続できないこともあるため、原因を理解し、適切に対処することも重要です。
【この記事を最後まで読むと】
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iPhoneのテザリングの基本機能と仕組み
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iPhoneでテザリングする方法
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iPhoneのテザリングが繋がらない・できない原因と対処法
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iPhoneでテザリングする際の注意点
iPhoneのテザリング機能を理解して、快適にインターネットを活用しましょう。
iPhoneのテザリングとは?基本機能と仕組みを解説
iPhoneのテザリングとは、iPhone自体をモバイルルーターのように使い、他のデバイスをインターネットに接続する機能です。外出先でWi-Fiがない時や、急にパソコンやタブレットをインターネットに繋ぎたい時に役立ちます。
iPhone本体でインターネット接続を他の端末に共有するのがテザリング、一方でモバイルルーターは専用端末を使用します。モバイルルーターとiPhoneのテザリング機能の違いは以下です。
比較項目 |
iPhoneのテザリング |
モバイルルーター |
手軽さ |
◎(比較的に安定性がある) |
△(端末の用意・契約が必要) |
接続の安定性 |
△(長時間や複数台接続で不安定になりやすい) |
◎(比較的安定した接続が可能) |
バッテリー消費 |
△(iPhone本体の電池を使う) |
◎(独立した電源・長持ち) |
同時接続台数 |
△(5~10台程度) |
◎(10台以上も可能な機種あり) |
通信容量の自由度 |
△(スマホ契約に依存) |
◎(無制限プランなど選べる) |
追加料金の有無 |
◎(※追加料金なし) |
△(端末代+月額料金が必要) |
向いている利用シーン |
一時的な接続・個人利用におすすめ |
長時間・複数台接続・ビジネス利用におすすめ |
※iPhoneのテザリングは、ほとんどのキャリアで無料ですが、使用したデータ量はスマホの通信容量に含まれるため、大量に使うと通信制限がかかる可能性があります。
外出先でたまに作業する程度なら、手軽に使えるiPhoneのテザリングが便利です。反対に、外出先で頻繁に作業し、安定した接続が必要な場合はモバイルルーターがおすすめです。
テザリングはiPhoneが受信しているモバイルデータ通信(4Gや5G)を、Wi-Fi、Bluetooth、またはUSBケーブルを介して、パソコンやiPadなどに共有します。iPhoneのテザリング機能は、カフェでパソコンを使いたいときや、災害時などWi-Fiが使えない場合に便利です。
iPhoneでテザリングする方法
テザリング方法 |
手順 |
メリット |
デメリット |
おすすめのシーン |
Wi-Fiテザリング |
設定アプリ → インターネット共有 → ほかの人の接続を許可をオン |
接続が比較的簡単で、複数の端末と同時に使える |
バッテリーの消費量が多く、電波が不安定になりやすい |
タブレットや複数端末を手軽に繋ぐとき |
Bluetoothテザリング |
設定アプリ → インターネット共有をオン → Bluetoothをオン → ペアリング |
省電力で長時間利用向き |
通信速度が遅く、接続範囲が狭い |
スマホや軽作業での長時間使用時 |
USBテザリング |
iPhoneとPCをケーブル接続 → インターネット共有をオン |
通信が安定して速く、iPhoneに給電もされる |
ケーブルが必要で、パソコンがないと使えない |
外出先でノートPCを安定接続したいとき |
iPhoneのテザリングには、Wi-Fi・Bluetooth・USBの3種類の接続方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。テザリング方法について解説します。
Wi-Fiテザリングのやり方
項目 |
内容 |
メリット |
・複数の端末を同時に接続できる ・設定が簡単で汎用性が高い ・パソコン・タブレット・ゲーム機など幅広く対応 |
デメリット |
・バッテリーの消耗が早い ・電波状況によって接続が不安定になることがある ・第三者に接続されるリスクがある(パスワード管理が重要) |
Wi-Fiテザリングは最も一般的な接続方法です。iPhoneの「設定」から「インターネット共有」を選び、「ほかの人の接続を許可」をオンにします。
次に、接続したいパソコンやタブレット側でWi-Fiネットワーク一覧を開き、表示されたiPhoneの名前を選択します。その後、iPhoneに設定されているWi-Fiパスワードを入力すれば接続完了です。
Wi-Fiテザリングは設定が比較的簡単で、一度接続すれば同じ端末ではパスワードなしで使えますが、iPhoneのバッテリーが早く減ったり、電波状況によって接続が不安定になったりすることがあります。
また、パスワードは「12345」や「password」などの推測されやすいものを避け、英数字や記号を組み合わせた強固なものを設定し、第三者に漏れないよう厳重に管理しましょう。
Bluetoothテザリングのやり方
項目 |
内容 |
メリット |
・バッテリー消費が少なく、省電力で使える ・近距離で安定した接続が可能 ・Wi-Fiが使えない環境でも通信可能 |
デメリット |
・通信速度が遅く、大容量の通信には不向き ・接続範囲が狭く、数メートル以内に限定される ・初回接続時にペアリングが必要 ・Wi-Fiテザリングより接続が不安定で、うまく繋がらないことがある。 |
Bluetoothテザリングは、近距離の端末同士を省電力で接続したいときに便利な方法です。iPhoneの「設定」→「インターネット共有」で共有をオンにし、「Bluetooth」をオンにします。
次に接続先の端末(パソコンなど)でもBluetoothを有効にし、iPhoneをペアリング。その後、認証コードを確認して接続を確定すると、インターネットが利用できるようになります。
Bluetoothテザリングは省電力で使えますが、Wi-Fiテザリングに比べて通信が不安定になりやすく、接続に失敗することもあります。Bluetoothテザリングで接続できない場合は、他の接続方法に切り替えるなど工夫しましょう。
USBテザリングのやり方
項目 |
内容 |
メリット |
・通信が安定して速い ・動画視聴や大容量ファイルの送受信に適している ・iPhoneがPCから給電され、バッテリー消費を抑えられる |
デメリット |
・Lightningケーブルもしくは、Type-Cケーブルが必要 ・パソコンがないと使用できない ・初回はiTunesやドライバのインストールが必要な場合がある |
USBテザリングは、iPhoneとパソコンをケーブルで繋いでインターネットを共有する方法です。通信が安定していて速度も速く、さらにパソコンからiPhoneに給電されるため、バッテリーの減りを気にせず使えるのが特徴です。
iPhoneの「設定」→「インターネット共有」を開き、共有をオンにします。
その状態でLightningケーブルもしくはType-C(iPhone14以降の場合)を使ってパソコンと接続すれば、自動的にネットワークが認識されます。(初回のみ「このコンピュータを信頼しますか?」と表示されるため、「信頼」をタップする)
接続できない場合は、パソコン側のネットワーク設定でiPhoneが正しく認識されているか確認しましょう。
また、WindowsでUSBテザリングを使うには、初回のみiTunesのインストールが必要になることがあります。Windowsを使っている方は、あらかじめ必要なソフトを準備しておくとスムーズに接続できます。
iPhoneのテザリングが繋がらない・できない原因と対処法
iPhoneのテザリングが繋がらない原因はいくつか考えられます。まずは、以下の点に問題がないか確認してみましょう。
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単にテザリングの調子が悪いだけ
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iOS・OSのアップデートが古い
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契約プランにテザリング未加入・オプション未申請
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パスワードや接続設定のミス
テザリングがうまくいかない主な原因とその対処法を解説します。
単にテザリングの調子が悪いだけ
iPhoneのテザリングがうまくいかない場合、単にテザリングの調子が悪いだけということも少なくありません。たとえば、iPhoneや接続先の端末を再起動したり、電波状況が改善されたりすると問題が解決するケースもあります。
電波の強い場所に移動する、不要なアプリを終了させる、Wi-FiやBluetoothを一度オフにして再接続するなど、簡単な操作でも改善されることがあります。テザリングがうまくいかない時は、これらをまず試してみましょう。
iOS・OSのアップデートが古い
iPhoneのiOSや、接続先の端末のOSが古いままだと、テザリングがうまく動作しないことがあります。iOSのアップデートは「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から確認できます。
また、接続先がWindowsやMacの場合も、OSやドライバーは常に最新に保つことが大切です。特にWindowsでは、iTunesのインストールやAppleのUSBドライバーが必要な場合があり、事前に更新しておくことで接続トラブルを防げます。
契約プランにテザリング未加入・オプション未申請
一部のキャリアや格安SIMでは、テザリング機能が標準で使えない場合があります。特に古い料金プランや格安プランでは、事前にオプションを申し込まなければテザリングが使えないことも少なくありません。
気になる方は契約中のキャリアのマイページやサポートから、テザリングが利用可能かを確認しましょう。
パスワードや接続設定のミス
iPhoneのテザリングが繋がらない原因として、接続先端末の入力ミスや設定の不備が挙げられます。Wi-Fiパスワードは、英数字の大文字・小文字や記号を含むため、打ち間違いが起きやすいポイントです。
また、過去の接続履歴が残っていると、誤った設定で自動的に再接続しようとして失敗することもあります。
接続先の端末で、iPhoneのネットワークが正しく選ばれているか、他のWi-Fiと干渉していないかを確認しましょう。うまくいかない場合は、一度ネットワーク設定を削除し、改めて再接続するのが効果的です。
iPhoneでテザリングする際の注意点
iPhoneでテザリングする際は以下の5つに注意しましょう。
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バッテリー消費が早い&発熱しやすい
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接続方式による電池負担に違いがある
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データ通信量・速度制限
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オンラインセキュリティと暗号化を徹底する
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テザリング機能を使っていないときはオフにする
iPhoneでテザリング機能は便利な反面、端末に負担をかけたり、大量のデータ通信を消費したりするリスクもあります。
バッテリー消費が早い&発熱しやすい
テザリング中はiPhoneが常に通信を行うため、通常より多くの電力を消費します。Wi-Fiテザリングでは常に通信を継続するため、バッテリーの減りが早くなり、端末が熱を持ちやすくなります。
充電しながら使えばバッテリー切れは防げますが、発熱がさらに強くなり、端末の寿命を縮める恐れがあるため注意が必要です。長時間の使用や高温の場所では動作が不安定になることもあるため、適度に休憩を挟むなど、状況に応じた対応を心がけましょう。
接続方式による電池負担に違いがある
接続方法 |
通信速度 |
電力消費 |
特徴 |
Wi-Fi |
高速 |
高い(バッテリー減りやすい) |
接続が簡単で速度も速いが電池の減りが早い |
Bluetooth |
低速 |
低い(省電力) |
省電力で長時間利用に向くが速度は控えめ |
USB |
高速 |
消費しない(給電あり) |
安定して使えるがケーブル接続の手間がある |
テザリングにはWi-Fi、Bluetooth、USBの3つの接続方法があり、それぞれバッテリーの消費量に違いがあります。
使用時間や作業内容に応じて適した接続方法を選ぶことで、バッテリーの持ちや接続の安定性を保つことができます。用途や電池への負担を考えて接続方法を選ぶことが大切です。
データ通信量・速度制限
テザリングを使うと、iPhoneのモバイルデータ通信量をそのまま消費します。動画視聴やファイルのダウンロードなど、大きな通信が発生する作業では、短時間で数GBを超えることも珍しくありません。
契約プランによっては月間のデータ容量を超えると速度制限がかかり、ネットが極端に遅くなるケースもあります。使用状況を意識し、データ量の多い作業はWi-Fi環境で行う、あるいは通信量を確認する習慣を持ちましょう。
オンラインセキュリティと暗号化を徹底する
テザリングは便利な反面、第三者に勝手に接続されるリスクもあります。特にWi-Fiテザリングは、iPhoneのネットワーク名とパスワードが他人の端末に表示されるため、セキュリティ設定が甘いと不正に接続される可能性があります。
パスワードはよく使われるものではなく、推測されにくい複雑なものを設定しましょう。使用後は、「インターネット共有」をオフにすることも忘れないようにしましょう。
テザリング機能を使っていないときはオフにする
テザリングをオンにしたままにしておくと、iPhoneが常に接続先を探し続ける状態になり、無駄なバッテリー消費や第三者に勝手に接続される危険性があります。こまめにオン・オフを切り替える習慣をつけることで、電池の節約とセキュリティの両方を維持できます。
iPhoneのテザリング機能をよく利用する方は、ちょっとした手間を惜しまず、オン・オフの切り替えを習慣づけましょう。
iPhoneのテザリングをスムーズに使いこなそう!
iPhoneのテザリング機能は、使い方を理解すれば非常に便利な機能です。Wi-Fiが使えない外出先や、急にネットが必要な場面でも、iPhoneがあればすぐに対応できるのがメリットです。
iPhoneのテザリング機能を使う際は、接続方法やバッテリー消費、通信量、セキュリティなど、いくつかの注意点を理解しておくことが大切です。利用目的や状況に合わせて、最適な方法で使うよう心がけましょう。
難しく感じるかもしれませんが、基本的な操作と注意点を押さえれば、誰でも快適に活用できます。正しく理解して、快適にテザリングを活用できるようにしておきましょう。